自前主義にこだわらず
パートナーから選ばれる企業に

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東京・丸の内を中心に多くの企業に働く場を提供している三菱地所は、エコシステム形成にもオープンな姿勢で、多角的にイノベーションに取り組んでいる。新規事業もすでに複数生まれており、既存事業のアセットを生かした新事業プランの検討も進む。

三菱地所はより幅広い新たなビジネスの創出に尽力している。

 「今、大企業にとって、イノベーションは不可欠なものになっています。当社でも既存事業のバージョンアップだけでなく、時代の変化に対応した新たな価値創造実現が必要だという認識のもと、ビジネスモデル革新に向けたオープンイノベーションに力を入れています」と話すのは、三菱地所新事業創造部長の井上和幸氏だ。同部では、社内での新規事業創出やオープンイノベーションによる価値共創に向けて、成長領域やテクノロジーの探索と、様々なプレーヤーとの連携を通じたビジネス化に取り組む。新規事業だけでなく既存事業の変革に向けた支援やインフラづくりも進める。

すでに実績は多い。社内発の新規事業としては、丸の内をはじめ三菱地所のビルにオフィスを構える入居者が不要になった家具のリユースを行う『エコファニ』(下写真)、様々なジムを都度利用できるサブスクリプションサービス『GYYM』など、個性豊かな事例が生まれている。

新規事業のアイデアは同部が事務局となって年に1度募集し、そこから書類審査やプレゼン審査などを経て事業化に至る。

「場所を提供し賃料をいただくというこれまでのビジネスモデルを拡張し、当社が培ってきた事業アセットやケイパビリティーを生かした新たな事業プランの検討が進んでいます」

スタートアップフレンドリー
スコアリングで5位にランクイン

オープンイノベーションでは、2019年に、スタートアップと共にエレベーター内に広告を配信する合弁会社を立ち上げており、2022年設立のCVCBRICKS FUND TOKYO』では、国内外の有望スタートアップに対し、新規投資16件、追加投資4件を実施済み。スタートアップやベンチャーキャピタルへの投資金額は2020年代半ばまでに500億円に達する見込みだ。

 経団連が2023年度に行ったスタートアップフレンドリースコアリングで、三菱地所が5位にランクインしているのは、こうした活動が評価されてのことだろう。今後は、客員起業家を通じて自社の新規事業の立ち上げを行ういわゆるスタートアップスタジオへの参画を図るなど、より多面的な展開を進めていくという。

新事業創造部発足から10年以上がたち、周囲の環境は激変した。

「世の中の動きが加速し、自前主義での成長ではそのスピードにますますついていけません。周りの方々の力も借りながら、 スピード感を追求する必要性が増しています。今後も加速する変化に対応できるよう、三菱地所は外部のパートナーの方々から選んでいただけるような会社になっていかなければならないと考えています」

多様な共創を通じ、日本全体を盛り上げるようなビジネスの連鎖を目指す。

三菱地所 新事業創出について 詳しくはこちら

 

日経ビジネス2024年8月26日号に広告掲載

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