TMIPのパートナーとしても丸の内でのエコシステム構築に貢献するデロイト トーマツ グループは、コンサルティングを通して大企業のイノベーションを支援。大企業ならではの悩みを理解する同社は、あらゆる思考が交流する新しいビジネス拠点を運営中だ。
「私たち自身もそうですが、自社内で新規事業のアイデアを募っても年々数も鮮度も落ちていきます。イノベーションではなく新商品や新サービスの延長でしかないことも多いのです」
デロイト トーマツ グループの戦略・成長担当の執行役でCGOを務める前田善宏氏は、新規事業創出における課題をそう指摘する。大企業では、たとえ新規事業の芽が出て予算獲得までこぎつけてもなお壁は高い。予算は確実に収益を見込める既存事業と争わなければならないうえに、本業の業績次第では急減もあり得る。ゆえに事業計画がゆがみ、継続が難しくなることも珍しくない。
「うまくいっていても『なぜうちの会社でやる必要があるのか』といった声は常に聞こえてきます」
そうなると、当初は手を挙げていた人も元気を失っていく。
「新たなことに取り組まなくても同じ給与がもらえるのだからと守りに入ってしまいます。ですから経営陣にはそれでも支援し続ける覚悟が必要なのですが、こうした自社単独で取り組むがゆえの壁を払拭するには、オープンにイノベーションに取り組むことが重要です」
イノベーションを誘発する
リアルな出会いの場を丸の内に
「デロイト トーマツ イノベーションパーク」は、そうしたオープンイノベーションのあらゆる段階を支援する場を運営している(上写真)。東京・丸の内に2022年10月に開設されたこの空間は、Co-working(協働)、Proof of Concept(概念実証)、Showcase(展示)、Event(催し)の4つの機能・機会を提供し、他では出会えない企業や人との出会いを誘発。無料会員が利用できるカフェエリアなどのほか、有料会員向けのシェアオフィスやフィットネスジム、キッチンなどを備える。皇居ランの拠点としても機能するジムには最新式のマシンが並ぶ。
「頭を使ったら体もリフレッシュが必要です。また、マシンは会員企業の新モデルで、Showcaseも兼ねています」
ここでは、ビジネス化を成功させたい大企業とパッションにあふれたスタートアップという互いに互いを補完する関係も、全く別のところに強みを持つ大企業同士の組み合わせも生まれ得る。客観的なアドバイスが必要なら、デロイト トーマツ グループの専門家も近くにいる。
「後々、あのイノベーションはこのイノベーションパークから生まれたと言われるような場に育てていきたいと考えています」と前田氏。
その段階に到達したら、大企業の経営陣にはまた別の覚悟が必要だという。
「成功事例を抱え込まずに手放す覚悟です。会社の外へ大きく羽ばたかせ自由度を高めることがさらなる成長と社会変革につながるからです」
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