【レポート】TMIPキックオフレセプション

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開催日時 2019/10/3 17:30スタート。
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大手町・丸の内・有楽町地区で産官学が連携することでイノベーション・エコシステムを推進する新たなプラットフォーム「Tokyo Marunouchi Innovation Platform(TMIP)」の発足を記念して、2019年10月3日(木)、パレスホテル東京にて、TMIPキックオフレセプションが開催され、計68団体159名の方にご参加いただきました。

レセプションは、一般社団法人大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会 理事長を務める三菱地所株式会社 代表取締役 執行役副社長の谷澤 淳一氏による開会の挨拶からスタートしました。

谷澤氏:TMIPは、世界に先駆けてこの街からイノベーション・エコシステムが自然に生まれることを目指したもの。大丸有エリアには企業が4300社も集まっており、働いている人も28万人。コワーキングスペースやベンチャー支援設備も充実しており、TMIPに相談をすることで、街中での実証実験なども可能になる、環境的に非常に恵まれた場所と思っています。この街もイノベーションを起こす街ということで盛り上げていけたらと思います。

 

続いては来賓の挨拶として、小池 百合子東京都知事が登壇し、TMIPへのエールを送りました。

小池氏:TMIPは、多様な産業や優れた技術、豊かな人材が蓄積する東京だからこそできる、活かせる、そんな場所になることを期待している。新たなイノベーションの創出、促進に向けて、社会的課題や問題の本質をしっかりと見極め、そのためのエコシステムを作り、ビジネスが生まれていく、そのような好循環の街を、東京都も連携して共に作っていきたい。


小池都知事との記念撮影後は、TMIP代表・佐野 洋志が登壇、TMIPの活動について、あらためて解説しました。


佐野:大丸有エリアは世界でも有数の、高密度のビジネス集積地で、各企業のイノベーション関連施設やパートナー施設もたくさんあります。各企業、各施設がそれぞれに取り組んでいる中で、それらを結びつける大きなコミュニティのようなものが存在すれば、さらにイノベーション創発を加速させられるのではないかと考えたのがTMIP立ち上げのきっかけ。イノベーションに必要な知と知を組み合わせ、一社では解決できない社会課題を解決して行く、それがTMIPの目的です。

 

続いては、早稲田大学大学院 経営管理研究科の入山 章栄教授をモデレーターに、TomyK Ltd. の鎌田 富久代表、デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社の斎藤 佑馬 代表取締役社長、『アライアンス-人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用』監訳者の篠田 真貴子氏が登壇し、パネルディスカッション「大企業/大丸有に期待するオープンイノベーションとは」が行われました。


入山氏:イノベーションは既存知と既存知が繋がって新しい知が生まれるということ。ところが日本の組織はいまだに多くが終身雇用で、大企業が異業種やスタートアップと繋がりにくい。そこでそれらを繋げるプラットフォームが必要になってくるわけで、それができるのは間違いなく都市。インターネットの時代だからどこでも繋がれると言われるが、それは絶対に違う。ネットが進んだからこそ、ネットで得られない情報、異業種、異分野の人が直接顔を付き合わせて得られる信頼や暗黙知が重要になってくる。TMIPが大丸有エリアなのもすごく重要。

 


篠田氏:異業種の方と交流する際にどんな話をするかも重要で、機密じゃないけど外に流通しないような話、これが次のイノベーションのタネになると思う。日常からそういう話をされていれば、TMIPが用意した場に集まった時にさらに活性化するのでは?

 


鎌田氏:同じ会社で同じ人たちと何十年も同じように仕事をやっている状態でイノベーションを起こせと言われても、これは難しい。新たな発想は、刺激のある場所で、今まで出会ったことのない人たちと出くわすことで生まれるもの。また、スタートアップの側は、自分たちだけでやろうとすると非常に時間と金がかかる。そこで大企業とベンチャーが組むエコシステムを大丸有から作っていきたい。

 


斎藤氏:イノベーションがベンチャーから起こりやすいのは、起業家に着火型の人が多く、世の中をこう変えるのだと発信しているから。でもそれを実現できるのは企業の方。それなのにベンチャーが大企業に話を持っていってもなかなか決まらない。そこで大企業も子会社社長をたくさん作って権限を持たせれば変わっていくと思っている。窓口がクリアになり、一発で決められるようになれば新しいことがどんどんできるはず。

 

とそれぞれの立場から、TMIPへの期待をにじませました。

 

キックオフレセプションは以上で終了。会場を移し、アドバイザーの方々の挨拶を聞きながら、会員同士による懇親会が行われ、参加者は名刺交換をしながら親睦を深めていました。


 


最後に、TMIPチェアマン・後藤泰隆氏が登壇、「プラットフォームは作ったらおしまいではなく、それを使って新しい価値を生み出してこそ」と話し、一本締めで懇親会を締めくくりました。

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