【TMIPワーキング】After/Withコロナ時代における地方創生

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【開催概要】
開催日時:2020/8/6 15:30 スタート
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2020年8月6日(木)に、Zoomを用いてオンラインでのTMIPワーキング「After/Withコロナ時代における地方創生」が開催されました。

本日のテーマ

本日のテーマ

まずは「コロナ禍における地方創生」をテーマに、デロイトトーマツコンサルティングのパブリックセクターに所属する田中亮伍氏が、その概要を解説しました。

デロイトトーマツコンサルティング田中亮伍氏による解説

デロイトトーマツコンサルティング田中亮伍氏による解説

田中氏:新型コロナウイルスは全く収束の兆しが見えず、私たちも新しい生活様式への対応をどうするか悩んでいる企業から相談を受けることも少なくありません。

国は新しい生活様式の実現に向け、コロナ禍での地方創生の取り組み方針として、必要な要素を挙げており、「プロフェッショナルな人材を集めて活用すること」「デジタル技術への積極的な投資」「社会的事業主体の育成」の三つがそれにあたります。

とはいえ、これはあくまでも例であって、実際には地方自治体の実情に即した取り組みを進めることが推奨されています。With/Afterコロナや社会課題に対しては、官と民が連携することで、より効果的な事業創出や実行につなげていくことが重要だと考えられます。特に事業創出については、地元の人々の声や情報を集約し、地域の実情を踏まえたソリューションを提供することが社会課題の解決につながり、重要であると考えます。

また、特定地域を対象とした事業創出のノウハウやナレッジをモデル化し、他の自治体に横展開したり、国の政策アジェンダに取り入れたりすることで、全国規模のイノベーションにつながることが期待されます。

続いて、地方における具体的な課題への取り組み例として、浜松市産業部産業振興課の加藤元一氏が登壇。市のイノベーション創出活動の取り組みについて説明しました。

浜松市産業部産業振興課・加藤元一氏による解説

浜松市産業部産業振興課・加藤元一氏による解説

加藤氏:浜松市はここ数年、廃業率が開業率を上回っています。製造品出荷額もリーマンショック前は3兆円を超えていましたが、現在は2兆円を下回っている状態です。

内訳としては自動車やオートバイ関連が4割。今後、技術革新の影響で自動車産業に影響が及んだ場合、市の経済に大混乱をきたすことが懸念されています。

そのための対策として現在取り組んでいるのが、浜松市にベンチャー企業を誘致し、また地域内でも企業を育てる「浜松バレー構想」です。これにより地域経済の持続的発展につなげ、日本におけるスタートアップの役割を担うことで日本経済の発展に寄与したいと考えています。

加藤氏は、引き続き浜松市が取り組んでいる具体例を「地方移住」「予防・健康事業」「観光」の三つのテーマに分けて紹介して、第一部のプログラムは終了。

第二部は参加者が4グループに分かれ、ディスカッションが行われました。グループごとのディスカッションテーマは下記の三つ。

ディスカッションテーマ

ディスカッションテーマ

A)地域・企業がwin-winとなるワーケーションプログラム
B)インセンティブを活用した健康増進プログラム
C)オフライン融合型遠隔観光PF
※Aは2チーム

約1時間後、再び参加者が合流。それぞれのグループでテーマに則して話し合われたアイデアが、各グループの代表により発表されました。

A1グループ代表:最近は人が集まるのも難しいが、目的があり地域の課題解決を議論できるものとして、ワーケーションは非常に面白い。ただ、効果を実感しないと個人であっても企業であっても実施するのは難しい。そこでテレワークのように政府がガイドラインを設けて強制力を持ってやる手法などがあればやりやすいのではないか。

A2グループ代表:若い人を中心に、地域に対する貢献が働く上で大事な価値として高まっている。ワーケーションを通じてそうした働き方ができる。従来型の大企業においても、経営層にはそういったことへの理解が進んでいる。現場への理解もエビデンスを駆使してアピールしていける素地はある。ただ、費用対効果があるかといえばやや疑問。そこで例えば地方の工場や農業といった生の体験をした上で新しい事業開発をしていくとコスト面でも納得させられるものが出てくるのではないか。

Bグループ代表:ネックになるのは健康意識の低い人には使ってもらえないということ。高齢者は健康意識が高いが、若い人は健康意識が低い。そこでゲーミングなどが効果的かもしれない。若者が入ってきやすい謳い文句を。便利になるから不健康になるという意見も。あえて不便にし、その不便さを活かして健康を保つ環境を作り出せればよいかもしれない。

Cグループ代表:その土地に来てどんな体験をするか、具体的なターゲットをイメージして売っていけるようにしたい、インフルエンサーなどを使って地域のファン作りをしていくのはとても良いのでは。バーチャル工場見学だったら肉眼では見えないものも見せられる。ただリアルに比べるとバーチャル観光はマネタイズが弱いので新たに考えていく必要はある。

次回のテーマ発表

次回のテーマ発表

最後に加藤氏より良いアイデアをいただけたことについてのお礼、続いて事務局より今回議論が行われた内容は引き続きオン/オフラインで議論を続けること、次回は9月4日に「ウェルビーイング」、9月29日に「スマートモビリティ」をテーマにTMIPワーキングを開催することがアナウンスされ、今回のイベントは閉幕となりました。

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