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開催日時 2020/9/29 15:30スタート。
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2020年9月29日にオンラインにてTMIPワーキングが開催されました。今回のテーマは「スマートモビリティ」。
開催にあたり、まずは計量計画研究所の牧村和彦氏による基調講演が行われました。
牧村氏:現在、コロナ危機で世界中のモビリティが一旦休止したり、外出が億劫になっていたりする中で、自動化や非接触サービスが加速しています。社会的距離が求められる中、グローバルなレベルでは各国、すごいスピード感でウォーカブルな都市空間へとシフトしています。
MaaSでは、ロンドンで感染リスクを回避する時間帯や手段を示すナビゲーションサービスの提供が8月からスタートしました。リアルとバーチャル、様々な交通サービスをひとつにつなげるモビリティハブの取組も進んでいます。
外出を促進したいが社会的距離を確保しなければならないという問題もある中、これからはモビリティを軸にできるだけコンパクトな範囲で生活できる空間に都市を変容させていくことが大事になっていくと考えられます。
続いて、デロイトトーマツコンサルティングの新見理介氏が登壇、コロナ禍におけるモビリティの潮流について語っていただきました。
新見氏:MaaSの登場によって、交通はマイカーが移動を支えていた時代から、複数の機関を乗り継いでいく形へと変化しています。
移動のあり方が変化する中でコロナ禍も加わることで、地域の移動圏や生活圏に新たな価値が生まれてくることは間違いありません。生活を基軸とした移動が中心となり、リモートワークも発展したため、長距離移動は好まれなくなります。
さらに移動の時間帯や方法の変化とともに、移動自体が貴重となり、せっかくの移動に伴う充足が求められるようになります。つまり、移動に伴うリアルの重要性が再確認されます。地域における働き方や楽しみ方が、改めて事業を検討する上でもキーワードになります。そのためには一事業者だけでは対応しきれず、TMIPのような複数の事業者が協力できる環境の重要性も高まっていきます。
基調講演に続いて、TMIP事務局より、本日のディスカッションの課題が説明されました。モビリティのトレンドと大丸有の方向性の掛け合わせから、下記の課題が提示されました。
A)歩行者とモビリティが共生するセーフティな都市空間
B)ラストワンマイルを考慮した都市型物流革命
C)未来のモビリティ「空飛ぶクルマ」の社会システムとしての実装
課題に関する具体的な事例がいくつか紹介された後、休憩を挟んで10名程度のグループに別れてディスカッションが行われました。グループはABがそれぞれひとつ、Cがふたつの計4グループ。約1時間、グループごとに活発な意見交換が行われたのち、再び全員が合流し、それぞれで話し合った内容を発表、共有しました。
A)近くで開催している興味のあるイベントのリコメンドや、友人と会うという予定を踏まえた移動提案を実現する情報連携ができれば面白いのではないか。また、オススメの移動ルートを機械学習して新たに提案できるようにするのも良い。例えば、地図データを持っている企業は、そこがどういう場所なのか、道路上の日陰の有無をハッシュタグ的に地図情報に連携することで、日差しを避けて移動するルートを提案するなど、他のサービスで得られた情報を連携して地図の付加価値を高められれば、などの話題もあった。今回は時間の制約があったため、今後も別の場を設けてさらに話を深めていきたい。
B)配送にロボットを導入するとして、どこまで人をロボットで置き換えられるのか、物流企業で検証をしている最中。人間ができることとロボットができることは異なるため、置き換えというより共存が必要になるのではないか。その際のセキュリティ面も課題となる。また、物流の可視化もこれまで以上に必要となる。大丸有エリアだと車自体が配送の拠点となっているが、物流各社が連携していけば、より効率の良い場所が見つかるかもしれない。エリアごとにデータを取って最適化していければ良い。データの集め方、活用方法についてもまだまだ議論の余地があるので、各社連携を模索したい
C1)空飛ぶ車の開発状況や現状の課題も含めて話が弾んだ。ビジネスモデルとしては、最初は超富裕層に向けたサービスになると考えられる。空飛ぶ車やドローンがモノを運んで降りてくると、そこには人が集まる。そこでまちづくりに空飛ぶ車やドローンを活用することもできるのではないかというアイデアが出た。また、都内のビルには緊急避難用ヘリポートが400箇所以上ありながらほとんど使われていないので、これらを再活用できれば価値の創造にもつながるのではないか。
C2)空飛ぶ車を社会に実装しようとした時に、経済性と安全性のバランスは無視できないだろう。また、日本ではまだまだ空飛ぶ車を知らない方、聞いたことがない方も多いので、社会受容性を高めていくロビーイング活動や実証実験も必要になる。パイロットやインフラをいかに装備していくかももちろん重要。東京で飛ばすには、C1グループでも話題に挙がったヘリポートをいかに使っていくかが課題だろう。富裕層向けサービスとして、空港と都市部をつなぐ手段としても活用できないかという話や、都心部よりも地方・離島からの活用こそがキーになるのでは、という意見もあった。
TIMP事務局からは、今回のディスカッションで挙がった議題をさらに深めていく場を設けていくことが示され、今回のTMIPワーキングは終了となりました。